EXDREAM代表の斎藤です。
私は元々、音楽AIのリサーチャーからAIの世界に入りました。
実は技術的な専門は今でも音楽生成AIです。
そんな音楽生成AIのリサーチャーの立場から、音楽生成AIの著作権保護や収益分配は法律だけでは無理で技術的な解決策が必要、とずっと言い続けていました。
そして昨日、2月15日の日経さんの記事です。
海外の音楽スタートアップも、この音楽学習データ特定の技術について、取り組みを行っているところがありますが、まだまだ真の実現には至っていない。
そんな中、ソニーが実現化?
この記事を最初に見たときはかなり期待してしまいました。
しかし記事ですが、、、
日経さんタイトルが誤解を招くと思います。
論文を読むと
元々の仮説は(私の認識が間違ってなければですが)
1・特定のある曲について、その曲が学習データに入っていなかったら、生成された音楽は違うものになる
2・そこで生成曲からその特定の曲を抜いて生成する(Unlearningという手法)
3・その結果変化が大きいほど、その曲の生成曲に対する寄与度は高い
4・その結果学習曲として可能性が高い楽曲が特定される
というもの。
しかしこの時点でわかる通り、1曲ずつこの作業を行うとなると、例えば学習データが10,000曲あればUnlearninghが10,000回。
現実的にはあまりにも大変。
そこで逆の発想で
1・生成された曲を忘れさせる更新を行う(Unlearning)
2・その更新で、学習データの各楽曲のLossがどのくらい変わるのかを見る
3・そして学習曲として可能性が高い楽曲を特定する
これならUnlearningは1回で済む。
しかしこの作業を行うためには、音楽生成AIサービス開発元が、モデルと学習データにアクセス許可する必要がある。
果たしてそれを開発元、例えばSunoやUdioが許可するのか?
日経さんのタイトルではまるで生成された音楽だけを元に学習データを特定できるように思われてしまいますが、実際は現時点では難しい、というのが結論だと思います。
それでも、この技術は音楽家にとっては、歓迎すべきもので、未来の音楽に貢献する必要な技術だと考えます。 今後もこの研究が進み、この技術が実現化される。 そして、音楽AI生成の進化が、音楽家、及び音楽の未来に貢献できるものであることを願っています。
参考までに海外の音楽生成AIの学習データ特定・ライセンス・収益分配に取り組むスタートアップ