Claude 4とともに発表されたAnthropic API の 4 つの新機能を解説します。
今回のアップデートはMCPをハブとしたAIエージェントのためのアップデート、という感もあります。
新機能はすべて、本日よりAnthropic APIのパブリックベータ版で利用可能とのことです。
・MCP Connector
コードの記述なしで、任意のリモートMCPサーバーにClaudeを接続可能。
APIリクエストにサーバーURLを追加するだけで、Claudeがツールの検出、実行、エラー管理を自動的に処理する。
・Code Execution Tool
サンドボックス環境でPythonコードを実行し、ダイレクトにデータ可視化可能。
・財務モデリング
・科学計算
・ビジネス インテリジェンス
・ドキュメント処理
などの活用が期待できる。
チーム単位で1日あたり50時間無料でご利用可能。
その後、コンテナ1つにつき1時間あたり0.05ドルの追加料金がかかる。
・Files API
アップロードしたドキュメントを異なる会話間で繰り返し参照できる。
これによりナレッジ ベース、技術ドキュメント、またはデータセットを操作するアプリのワークフローを簡略化することが可能。
拡張プロンプトキャッシュ
プロンプトのキャッシュ保存期間(TTL)を標準の5分間とするか、追加料金で1時間のTTLに延長するかを選択できるようになった。
これにより、コストが最大90%、プロンプトのレーテンシーが最大85%削減され、拡張エージェントワークフローがより実用的になります。
・MCP Connector
MCP オーケストレーションのより中心的なハブとなることを目指すアップデートと思います。
注意点があり、β版のため、β機能を明示的に有効化 するための任意 HTTP ヘッダーが必要です。
このHTTP ヘッダーを付けないとサーバーは mcp_servers パラメータを無視し、従来どおりの応答を返してしまいますので注意です。
・Code Execution Tool
AnthropicのCode Execution Toolは競合となるOpenAI AssistantsのCode Interpreterと性能面では同等(RAM は両者とも ≒1 GiB、タイムアウトは Anthropic 最大300 s とやや長め)という感じです。
コストに関しては、有料部分はオープンAIの方が多少安価ですが、Anthropicは1日50時間までの無料枠があるので、それを踏まえて考慮すれば良いと思います。
・Files API
アップロードしたドキュメントを異なる会話間で繰り返し参照できる、、、だと特に活用方法がイメージしずらいかも知れませんが、APIであることで実は多くの可能性があり、例えば、Code Execution ToolとMCP Connectorを組み合わせてRAGデータの自動アップデートを行うAIエージェント、などということができそうです。
具体的な方法としては、Files API で毎日ファイルを抽出し、更新処理を Code Execution Tool で実行、ベクトル化とベクトル DBへの更新をMCP サーバー経由で行えば、RAGデータの自動更新が自動で(実際はトリガーが必要とは思いいますが)できる。そんな仕組みです。
・拡張プロンプトキャッシュ
OpenAI の context cacheより柔軟な TTL 指定が可能になっていますので、意図した制御が行いやすく使い勝手は良さそうです。
拡張 TTL を指定したリクエスト単位で従量課金されます。
これによりこれまではアイディアが良くてもコスト面で難しかった長期実行AIエージェントの運用可能性が高まることが期待されます。