2025/5/16 article

AI一色だったGoogle I/O 2025での 発表ベスト10

5月20日(現地時間)、に開催されたGoogleの年次開発者会議「Google I/O」ですが、予想通りではあったと言え、まさにAI一色だったと思います。
スンダー・ピチャイCEOの挨拶で始まった約2時間の基調講演では、「Gemini」という単語は95回、「AI」は92回発せられたらしいです。
本記事ではたくさんの発表の中から、今後のAI市場を変える可能性のある重要な発表をベスト10形式で皆様にお伝えしたいと思います。

Google I/O 2025 ベスト10

第1位:Gemini Diffusion ― 拡散型テキスト生成モデル
第2位:開発者向け AI ツール 「Jules」 「Gemini Code Assist」のリリース
第3回:検索の「AI Mode」とショッピング強化
第4位:AI 映像制作スイート「Flow」 を公開
第5位:Gemini最上位有料プラン「Google AI Ultra」(月額 $249.99)を新設
第6位:Chrome に AI が常駐 ― Gemini in Chrome
第7位:3D ビデオ会議システム「Google Beam」
第8位:対話型 AI「Gemini Live」
第9位:XR 戦略を拡大:Samsung のヘッドセット 「Project Moohan」 と Xreal の AR グラス 「Project Aura」 など
第10位:Gmail に「Personalized Smart Replies」

第1位:Gemini Diffusion ― 拡散型テキスト生成モデル

概要
拡散モデルを LLM に応用し、1,479 tps(tokens per second)で Gemini 2 Flash 比 5 倍の生成速度を達成。
研究デモは Labs 経由で即日公開、現在早期 Feedback を募集中。

所感
端的に言って、今後のLLMの流れを変える可能性がある発表だと思います。
拡散モデル使用による速度向上については驚きを持って語られていますが、同時に文章の整合性、つまり現状のLLMの弱点としてまだ残る、時間経過における性能向上が期待でき、長い文章のクオリティーも抜群に上がる可能性も期待できます。
同様に入力したプロンプトの理解や出力の追従性などもです。
RNNからAI界に参加し、LSTMからAttentionそして、GPTの名前の由来でもあるTransformerへと、その劇的な進化を体験してきた身としては久しぶりにあのワクワクがまた体験できるのか?と言うような期待を持っています。
もちろん出たばかりの技術なので、真価を問われるのはこれからですが、いずれにしても大きな期待を持ってはいます。

第2位:開発者向け AI ツール 「Jules」 「Gemini Code Assist」のリリース

概要
今回2種類のAIコーディングツールが発表されています。
Gemini Code Assist:VS Code/JetBrains 用拡張を正式リリース。企業向け Standard/Enterprise も提供
Jules:GitHub リポに接続しバックグラウンドでテスト作成/バグ修正を行う非同期コーディングエージェント。β版が世界公開

所感
開発者でないとこの2つのAIコーディングツールの違いがわからないかもしれませんが。
Gemini Code AssistはVS Code/JetBrains/Cloud Shell 拡張。
JulesはGitHub 連携の自律型エージェント。Issue 指示 → VM 上でコード修正・テスト → PR 提出。非同期でタスクを丸投げ可能
違いがあります。
特に違うのはJulesは自律型エージェントであることで、Open AIのCodexのライバルとも言われています。
早速試してみましたが、確かに自律型ではありますが、どちらかと言うとコード生成以上にバグ修正に非常に優れているなと言うふうに感じました。
また非同期でプルリクエストを自動でできると言うのは開発チームとしては非常に便利な機能だと思います。
ただ、今世界中で多くのエンジニアが試したいからだと思うのですが、ネットワークが混み合っていて止まることが多いです。
なのでまだ思う存分使えてません、、、
Gemini Code Assistはトラディショナルと言う言い方もおかしいですが、Cursorなどに慣れてる人にはその分親しみやすいのではないかと思います。
AIの進化すごい、と言ってもリアルな世界で1番活用され、実際に最も成果を上げるツールは、結局AIコーディングツールなのだろうとも思っています。

第3位:検索の「AI Mode」とショッピング強化

概要
Chromeの検索画面に AI Mode タブが追加され
Deep Search :裏で大量の検索を走らせ、要点をまとめたレポートを返し、
Search Live :カメラ映像をリアルタイムに解析して物体情報を表示、
Personal Context :(許可すれば)Gmail や Drive の履歴を参照して検索結果を自分仕様に調整
などの機能が追加されています。
注目はショッピング機能で
エージェント型チェックアウト:最安値価格検索と自動決済を行う
Try It On:全身写真1枚で服をバーチャル試着できる
という機能も追加されています。

所感
こういったブラウザとAIの連携はGoogleでなければできない内容と言って良いのではないでしょうか。
これでChatGPTの機能拡張(あまり良くなかったですね、、、)はもう使われることないのかもしれません。
バーチャル試着のTry it onは、頻繁に洋服を買う人にとってはありがたい機能なのかもしれません。
それとエージェント型チェックアウトと言うのは性能次第ですが、今後のショッピング体験を変える可能性は大いにあるでしょう。
ここは注目の機能だと思います。

第4位:AI 映像制作スイート「Flow」 を公開

概要
Flowは映像制作AIツールの統合ツールという様な位置付けです。
・Veo 3:動画+ネイティブ音声(効果音・環境音・セリフ)生成
・Imagen 4
:高精細・高速な画像生成
・Gemini
:ストーリー整合性や編集指示の理解
といったツールが組み合わされており、プロンプトだけで 8 秒クリップ生成 → シーン結合 → カメラワーク調整まで行えます。
AI Ultra 契約で最速・高上限、AI Pro は月 100 クリップまで制作可能です。

所感
ツールの組み合わせが制作のことをきちんと想定できていて良いと思います。
目に見えるものはインパクトもあり評価されやすいので皆さん注目しているのかもしれません。
この領域はどんどん進化し、作るだけであれば作れるようになると思います。
ただしクリエイティブな作品と言うのは
作れる=価値が発生する
ではないので、ほんとに映像作品に使用されるようなレベルになるにはワンステップ、ツーステップ上の別のレベルの進化が必要なのではないかなと思っています。
進化の鍵は制御性ですね。
製作者の意図通りに作れるようなコントローラブルなものになれば、いよいよ実使用される段階かと思います。

第5位:Gemini最上位有料プラン「Google AI Ultra」(月額 $249.99)を新設

概要
Google One の AI 向け契約に月額 $249.99(約 3 万 6,400 円) の Google AI Ultra が追加。
最新モデル(Gemini 2.5 Pro “Deep Think”、Veo 3、Flow など)と 30 TB ストレージが使い放題で、初回 3 か月は 50 % 引き。
既存の “AI Premium” は Google AI Pro($19.99)へ改称され、料金据え置きで機能拡充されています。

所感
Google AI Ultraは、全部入りプランという感じです。
AI関係ないですが、確かYouTubeのプレミアムプランまで含まれていた感じがします。
AIチャット各社が高額プランを発表しているのでその流れで対抗策なのだと思います。
しかしGoogleプランやプランの名称頻繁に変わりますよね。

第6位:Chrome に AI が常駐 ― Gemini in Chrome

概要
アドレスバー横の ✨ アイコンから呼び出すフローティング窓で、閲覧中ページを要約・比較。今後は複数タブ横断やサイト自動ナビにも対応予定。
Windows/macOS の Chrome β・Dev・Canary、または AI Pro/Ultra 契約者が先行利用可能

所感
某ブラウザの様な感じでしょうか?
AIモードと合わせてChomrのアップデートという感もあります。
AI時代におけるブラウザの正常進化進化という感じです。

第7位:3D ビデオ会議システム「Google Beam」

概要
6 台のカメラとAIで2D 映像をリアルタイムに3Dにレンダリングし、裸眼 3D/60 fps で相手が目の前にいるかのような通話体験を実現。
HP製対応ディスプレイが年内に企業向け出荷予定。

所感
試してみるまでわかりませんが、本当にゴーグルのようなものを必要とせずオンラインで立体的な相手と話できると言うのであれば、上半身だけとは言えまるでスター・ウォーズのような世界です。
対応ディスプレイが必要ということなのでこの点が果たして普及するのか?と言うところであります。

第8位:対話型 AI「Gemini Live」

概要
Pixel で試験提供されていたマルチモーダル AI が Android/iOS 版 Gemini アプリに統合。
カメラ映像や画面共有を解析しながら会話でき、まさにマルチモーダルな体験をリアルタイムで支援。

所感

地味なのですが、実は意外に使い道があるのかもしれません。
マルチモーダルな体験と言うのは特に驚きが必要なわけではなく、実は人間本来の体験がまさにマルチモーダルなので自然に普段の行動に意識されることなく解き込めば成功なのではないか?と言う思いもあります。

第9位:XR 戦略を拡大:Samsung のヘッドセット 「Project Moohan」 と Xreal の AR グラス 「Project Aura」 など

概要
・Project Moohan(Samsung)

Android XR 初のヘッドセット。Gemini が視界を理解し、空間ブラウザやマップ操作を音声/ハンドトラッキングで実行。年内発売予定。
・Project Aura(Xreal)
超軽量 AR グラス。Android XR ランタイムを採用し、6 月の AWE で仕様詳細公開予定。
Google は Warby Parker・Gentle Monster とも提携し、デザイン性を重視したスマートグラス展開を示唆。

所感
AIは関係ないですが、、、
XR系は可能性はあるのだと思いますが、やはり専用のヘッドセットを装着する必要がある限りは一般普及は難しいのではないかと感じています。
それに比べるとARグラスのほうはもう少し普及の可能性があるのかもしれません。

第10位:Gmail に「Personalized Smart Replies」

概要
従来の「スマートリプライ」が進化。端末内の過去メールをローカル解析し、語調・長さ・絵文字の好みまで学習した “あなたらしい” 返信文を候補表示します。
今夏、AI Pro 以上向けに先行配信予定。

所感
今までスマートリプライを使っていた方にとっては、進化バージョンということで良いのだと思います。
またZapierなどでエージェントを作ってこういった機能を使っていた人は、同じようなことが標準機能でできるようになります。

いかがだったでしょうか?
皆様は今回の発表どのように感じたでしょうか?
もしよかったら皆様それぞれのベスト10もお教えいただければと思っております。

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